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糖尿病とは

糖尿病は、膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンの分泌量が減少したり、インスリンの働きが弱くなることで血糖値が正常よりも高くなってしまう病気です。血糖値を上げるホルモンにはグルカゴンなど多数存在しますが、血糖値を下げるホルモンはインスリンのみです。

血糖値が高い状態が続くと全身の血管が硬化し(動脈硬化)、血液の循環が悪くなってしまいます。そうなると、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を引き起こしてしまいます。
糖尿病は下記の4種類に分類されます。

糖尿病の種類

糖尿病が発症している原因ですが、下記のように様々な要因が考えられます。

1型糖尿病

1型糖尿病は、膵臓のβ細胞に障害があり、インスリンを必要量分泌できないことで発症します。若い年代に多く見られるため、かつては「若年性糖尿病」と呼ばれていました。1型糖尿病は遺伝的要因と環境的要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

遺伝的要因とは病気のリスクが高まる特定の遺伝子を持っているということです。この遺伝子が免疫細胞への指示を誤ってしまい、自己の細胞であるβ細胞(インスリンを生産する細胞)を侵入した細胞と捉えて攻撃するリスクを高めるとわかっています。

環境要因とは、ウイルス感染です。特にエンテロウイルスのことをいいます。このウイルスがβ細胞を攻撃したり、免疫システムの誤動作を引き起こしたりすることによって、糖尿病のリスクが高まります。他にも食事やビタミンDの不足も関連している可能性があります。

2型糖尿病 (生活習慣病)

2型糖尿病は、分泌されたインスリンが処理できる範囲以上の糖分の分泌量以上の糖分を摂取したり、インスリンの働きが弱くなることで発症します。すい臓では血糖値の上昇に対処するために、多くのインスリンを生産しようとしますが、徐々に体がインスリンへの感度を失います。これをインスリン抵抗性といいます。

インスリン抵抗性がみられるようになるとインスリンを生産していても血糖値が下がらなくなり、血糖値がさらに上昇してしまいます。2型糖尿病のリスク要因としては、肥満、運動不足、高血圧などの生活習慣病が併発しているかなどの要因があげられます。

その他の原因 (2次性糖尿病)

ステロイド薬などの医薬品や、糖尿病以外の病気が原因で発症するのを2次性糖尿病といいます。前者はステロイド誘発性糖尿病と呼ばれます。ステロイド薬の副作用によって起こる糖尿病です。ステロイド薬は、インスリン抵抗性が生じることがあり、これにより血糖値が上昇します。薬を止めた後も症状が続くことがあるので、経過観察が必要です。

後者の糖尿病以外の病気とは、膵外分泌疾患(消化液を生成する機能の障害)、内分泌疾患(ホルモンを生成する機能の障害)、肝疾患、感染症などのことを言います。基本的には原因となる病気を治療することで、糖尿病も治療することができますが、治療後も糖尿病が持続するケースもみられています。

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病とは名前のとおり、妊娠することで生じてしまう糖尿病です。胎盤から分泌されるホルモンが原因となりインスリンの働きが弱くなり発症します。血糖値が高い状態を放っておくと母親と胎児どちらもリスクを伴います。

母親のリスクとしては、ケトアシドーシス(血液が酸性化した状態)や網膜症、腎症、流産などの可能性があります。胎児のリスクとしては、巨大児や新生児低血糖、先天奇形、発育の遅れなどの可能性があります。多くは出産後に血糖値が正常に戻りますが、2型糖尿病を発症しやすいと考えられるため、血糖値の管理が今後も必要となります。

糖尿病の症状

糖尿病高血糖でみられる症状としては下記のような項目があります。

上記のような項目などがありますが、初期の糖尿病はほとんど自覚症状を感じることがありません。糖尿病は気が付かないうちに病状が徐々に進行していくため、注意が必要です。高血糖の状態が慢性的に続くと、血管に障害が生じて3大合併症へと繋がってしまいます。

糖尿病の合併症

血糖値が高い状態が慢性的に続いていると以下のような合併症を引き起こすことがあります。

糖尿病性腎症

血糖値が高い状態が続くことで腎臓の機能が低下してしまい、人工透析が必要な末期腎不全となる場合があります。通常、アルブミンは吸収され尿中には微量しかありませんが、糖尿病性腎症の場合は尿にアルブミンというタンパク質が増えてしまいます。その結果、水分を体外に排泄しにくくなり、体がむくむ、尿量の増加、疲れやすくなる、高血圧等の症状が現れることがあります。

糖尿病性網膜症

血糖値が高い状態が続くことで目を流れる微小な血管に障害が生じてしまい失明に繋がる場合があります。糖尿病が発症した初期段階では特に自覚症状を感じることはありませんが、血糖値が高い状態が続くと目の血管で異常が生じてしまいます。糖尿病性網膜症では視力低下、飛蚊症、最悪の場合失明などが起こります。網膜剥離といった他の病気を伴っていることもあります。

糖尿病性神経症

血糖値が高い状態が続くことで末梢の神経系に異常が生じてしまいます。両足の痺れなどから始まりますが、徐々に痛みを感じにくくなり、最終的には壊死(糖尿病性壊疽)してしまうこともあります。

その他では、血糖値が高い状態が続くことで動脈硬化を引き起こしますので、心筋梗塞や脳卒中に繋がることもあります。また、感染症にかかりやすくなったり、切り傷が治りにくくなるなどの問題も生じます。

糖尿病の治療方法

糖尿病の治療方法ですが、発症している原因によって治療方法が異なります。1型糖尿病であればインスリンの皮下注射で血糖値コントロールを行います。2型糖尿病であれば食事指導・運動指導などの生活習慣の改善・経口血糖降下薬を処方しますが、2型糖尿病であっても場合によってはインスリン注射が適応となることがあります。

インスリン皮下注射

糖尿病はインスリンを必要量分泌できなかったり、インスリンの働きが弱くなったりするため、注射によって必要量のインスリンを注射にて補います。インスリン注射には様々な種類があり、注射してから作用するまでの時間や作用の持続時間が異なります。糖尿病の検査を実施して、患者さんごとにあった必要量を注射する必要があります。

経口血糖降下薬

糖尿病で処方される経口血糖降下薬には以下のような種類があります。患者さんの病態ことで処方薬を検討していきます。

ビグアナイド系肝臓からの糖の分泌を抑制
チアゾリジン系インスリン感受性の改善
スルホニル尿素薬膵臓でのインスリン分泌を促進
GLP1より速やかなインスリン分泌の促進
食後高血糖の改善
DPP4阻害薬インスリン分泌促進
グルカゴン(血糖を上げるホルモン)分泌抑制
αグルコシダーゼ阻害薬腸管での糖の吸収を抑制
SGLT2阻害薬尿中へ糖を排泄

※糖尿病治療ガイド2018-2019改変

糖尿病は様々な疾患・症状を引き起こします。
血糖値が高いと指摘された事がある方は一度医療機関へ受診下さい。

文責:白土睦人

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